おばちゃんお得情報奮闘記

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不平等な遺言書を残した父の気持ちを理解する

こんにちは、おばちです。

 

親からの遺産で不平等だと感じる人は多いと思います。

不動産

 自分もそうでした。

そのことについて書きます。

 

兄・私とも結婚して家を出たので父は母と二人暮らしでした。

母が他界してから、兄が父へ同居を申し出ていました。

 

その父が他界して兄と私の2人が相続することになりました。

父が残した遺言書は、①土地建物と②葬儀費用と③現金に区分されていました。

 

①土地建物は兄

②葬儀費用は兄

③現金は、兄4 対 私6 に分ける

というものでした。

 

兄には、①+②と③の現金4割、私には、③の現金6割という内容でした。

 

ちなみに相続税は、

 3000万円 + 600 万円 × 法定相続人の数 = 相続税基礎控除

なので、うちの場合は、

3000万+600万×2人=4200万

4200万円までは、相続税がかかりません。

①③足してもタッチしていませんでしたので相続税はかかりません。無税です。

このときの①の不動産価格は計算好きの父が路線価の8割で計算していました。

 

自筆遺言でしたが、父は遺言作成に当たって無料司法書士相談へ何度か言って内容を見てもらっていました。

その際 

「この内容では、妹さんから異論がでるかもしれないから公正証書にするようにと勧められた」 

と、言われたそうです。

プロが見ても揉め事になりそうな内容ということです。

 

「平等に分けたし、そこまで(公正証書にする)お金をかけることはない」

 

と言って遺言書を書いた経緯を話しながら生前の父は、私に見せました。

私は父の作った遺言書を読んで、真っ先に

 

「兄と分ける際は、不動産は相続税用の路線価格(の8割)を利用しないでほしい。」

 

この時点で、父の家を売却する予定であることは知っていたので、路線価と時価の乖離問題があるからです。

平等ではないと反論しましたが、聞き入れてもらえませんでした。

 

不器用な父が、先に他界した母を長く介護生活していた際、兄は、ほとんど顔をださず、父が一人暮らしになった時も「しかたなく訪れた風」の訪問でした。

父もそれを感じていたはずです。

 

それでも、兄は、父と同居を申し出ました。

兄嫁はうちの両親に対して以前より無関心だったので、私は兄家族が父との同居を了解したのが当初とても不思議でした。

 

兄は自分のマンションと父の家を売却し、その代金を新居の購入資金に充てる予定で戸建ての新居を購入を進めていたのです。

兄は50も半ば過ぎて自宅購入の借金したわけです。

遺言書を書いた後、父の家は父が健在の時から売りに出され、遺言書①の3倍の価格で売りに出されました。

父は、家の整理や売買に関する費用で兄に現金が必要になるからと手持ち現金の4割を兄に渡す③、遺言書を書いたのです。

同居する上での遺言書でした。

 

 その上、遺言書を書いた日以降に父は、住宅資金の非課税枠贈与内の額を兄に現金で渡していました。

6対4で分けるように遺言書に書いた③の部分からの支出です。

実に③のほぼ全額と言っていいほどの金額です。

 

父が兄にその資金を渡したのが、父が他界する直前だったので、さすがに兄は、その現金を保管し③の資金に戻し新居の資金には使いませんでした。

 

ちなみに、私の遺留分は1/4で不動産路線価8割でいくと抵触していないので、法律的には、問題なく父の残した遺言書で兄と分割せざるを得ませんでした。

とても不満の残る分割でした。

 

 父の家は、父の他界後、兄の名義に変わってからほどなくして路線価の2.5倍で売却されました。

 

私からすれば、路線価の8割で割り出した額を基準にした兄との分割も遺言書を書いた後に父が兄に渡した非課税枠いっぱいの新居への贈与額も平等な行為ではないのです。

 平等に分けたと父は言ったけれど、これが父の言った平等なんだろうか?

亡くなった父に対して後々までもシコリの残る相続でした。

 

父の遺言通りの分割をして、時が過ぎました。

落ち着いて考えてみると、父の立場で考えたらどうだろうと思えるようになってきました。

二人の子供、兄と私。

50歳半ば過ぎで大きな借金をした兄に対して自宅に住む借金のない私。

先祖を重視していた父にとって家系を続く兄と嫁に出た私。

大学生の子を持つ兄と子供にはもう手のかからない私。

 

後ろ向きでも、同居を申し出てくれた兄に対し、これから兄家族に自分が世話になり迷惑をかけることは分かっていた父。

それまで、接触のほとんどなかった兄が同居を申し出てくれた時、口にはださなかったけれど、嬉しかったんんじゃないかと。

 

父の考えの平等とは二人に渡す自分の遺産の額ではなく

「兄と妹が平等な生活水準で日々送れるようにする」

ための配分だったんじゃないかなと思うようになりました。

 

今となっては、そう理解し納得・・せざるを得ないのですが、その立場になってみると考えも変わるものです。

 

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このブログを読まれた方で、親からの土地建物を相続される予定のある方は、親の家を売り払うか?住むか?それに対してどう分配するかを早めに検討しておくことをお勧めします。

いろんなパターンがあります。

 

そうそう、子供のいない夫婦で、ご主人に先立たれ同居の義両親を一人で長く介護し見送った後、家を相続したご主人の兄弟に住まいを追い出されたという悲しい事実も聞いたことがあります。

お嫁さんには、何も残らないですからね。

 

前もって知識を増やしましょう。